鮭は川で生まれ、海に出て、再び生まれた川に帰ってきます。
河川で卵から孵化した稚魚は、春、雪解け水とともに海に降り、
11月までオホーツク海で過ごし、その後大西洋西部へ移動し冬を越します。
夏になるとベーリング海で餌を捕食し大きくなり、11月になると
南下してアラスカ湾に移動し冬を越します。
その後4年間は、夏はベーリング海、冬はアラスカ湾を行き来します。
成熟魚になってベーリング海から千島列島沿いに南下してきます。
それぞれ鮭は生まれた川を探し帰ります。
鮭が生まれた川に帰ってくることを『母川回帰』と言うそうです。
外洋での長旅を終えた鮭は、産卵のために故郷の河川を遡上します。
遡上を終えた鮭は、雄、雌つがいとなり、川底に産卵床をつくります。
その中へ雌が産卵、雄が放精し、受精卵が形成されます。
そして繁殖という役目を終えた鮭は力尽きてしまいます。
では何故川で産卵をするのか?
鮭は元が淡水魚です。鮭の卵は淡水性卵です。
海水で産卵すると浮遊卵になりますが、鮭の産卵数では
ほとんど残らず食べられてしまします。
また鮭の卵は、溶存酸素の多い冷水でないと育たないんです。
海水では溶存酸素が少ないから、河川で産卵をします。
これが、鮭が川で産卵をする理由です。
では何故、わざわざ海へ下るのか?
それは、大きく成長するためにミネラルが必要なんです。
河川ではミネラル不足なので海へ行くんです。
それともう一つ、海域の方が圧倒的に餌が豊富だからです。
それが、わざわざ海へ下る理由です。
成長した鮭は、ベーリング海から千島列島沿いに南下し
それぞれの生まれた川に産卵の為に帰ってくるのは
大体9月~12月頃だと言われています。
無事遡上を終え、産卵場所についたサケたちは、オス同士が
メスをめぐって激しく争います。
勝ったオスが「卵に放精する」という重要な役割を担うことができます。
ペアとなったオスとメスは、水深30㎝ほどの浅瀬で産卵の準備に。
メスが尾びれを使って砂利を掘り、直径1メートルほどの産卵床をつくります。
オスは手伝うことなく、もっぱら見張りをしています。
他のオスが地下ずくと追っ払うのです。
産卵床ができると、オスとメスが並んで産卵・放精を行います。
一匹のメスが産む卵の数は約1,000~6,000個。
産卵を終えると、メスは再び尾びれを使って砂利を卵の上にかぶせ、
他のメスに掘りこされないよう産卵床にとどまります。
産卵で力を使い切った体はすでにボロボロ。
卵を守りながらメスは息絶え、オスもやがて力尽きていきます。
遡上してくる鮭を人間は漁をして加工します。
捕獲されたメスは採卵されます。
人工的にふ化させるためです。
採った卵にオスの精液をかけ、受精させます。
こうやって鮭の数を減らないように人工的にしているんですね。
遡上した鮭を生け簀に移し、『鮭のつかみ取り』なんかを
イベントでやっている所もあります。
新潟県のイベントを何か所か紹介します。
新潟県糸魚川市では、年に二回『鮭のつかみ取り』があります。
一回目は田海川河口で2017年は10月28日にあるようです。
参加料は700円で鮭一匹持ち帰れます。
お問い合わせ:糸魚川市青海事務所 025-562-2260
二回目は糸魚川市能生川でありますが、日程はまだ決まっていないようです。
毎年11月中旬に行われているようです。
参加料は1500円で鮭一匹持ち帰れます。
三か出来る人数が決まっているため、申し込みが必要みたいです。
お問い合わせ:糸魚川市観光協会能生支部観光案内所 025-566-2214
新潟県ばかりでなく、鮭の遡上がある所では
イベントがあちこちで行われているようなので
近い所で調べてみてください。
普段、当たり前のように食卓に並ぶ鮭ですが
調べてみると、その生態は凄いものです。
食卓に並ぶ鮭は海で漁をされているものです。
川に遡上してくる鮭は人間によって加工され
食材になったり、採卵されたものはふ化させて
また川に戻しています。
遡上時期に『サケのつかみ取り』のイベントも
家族で楽しめて良い思い出になります。
是非、参加してみてください。